プラス思考で見栄っ張りになれ

1998/8/01

物事を何でも良い方へ良い方へと考える。
自分の健康に対してもそうだし、仕事の上でもこのことは非常に大切である。
経営者やリーダーは特に明るく前向きでなければならない。
スポーツの世界では、こんなずうずうしい考え方が良いのであって、一流選手の考え
方はみんな極めてポジティブである。
昨年読んだ雑誌に、ゴルフのタイガー・ウッズの記者会見のことが出ていた。
彼は、「出る試合全てに勝つつもり。」と言った。
記者の一人が、「全て勝つことなど無理なこと。」と反論すると、
「あなたが毎週、コラムを担当していたら、毎回いいものを書こうと努力するはず。
それと同じです。」と答えたそうだ。
21歳とは思えぬ当意即妙の応対に感心したことを憶えている。
試合でミスをしても、「あの状況下で、よくあの程度で済んだと思う。」
トップと大きく離されても、「まだまだ逆転は可能。」
というように常にプラス思考を持っている。
マイナス思考は次のプレーに悪影響を及ぼすが、プラス思考はミスを最小限にとどめ
ると言われる。
野球の落合博満選手の三冠王奪取宣言というのが十数年前に話題になった。
周囲に言いふらすことによって“引っ込みがつかない”状況に自分を置く。
人にいろいろ言われると撤回するのが難しくなる。
自分の意志よりも、見栄っ張りであるかどうかが、成否のカギを握るのではなかろうか

落合選手が言っても、最初は誰もまともに受け取らなかった。
それでも言い続けた。
そして、彼は‘82、‘85、‘86に3回三冠王に輝いた。
中日、巨人時代にも彼はこの“自縛”をかけ、好成績の原動力にした。
今、日本ハムに移った落合選手は、「ウチは優勝する。」
と独特な断定的口調で言うようになった。
その根拠は、「よく練習している。」ということだそうだ。
闇雲に練習することに否定的な落合選手が在籍した4球団の中で、一番良く練習する
チームだと目を見張り、量の多さもさることながら、質の良さも認めたのだ。
上田監督は、練習の量と質には自信を持っている。
猛練習をバカにするのが最近の傾向だが、若い選手が多いチームには、
「これだけ練習した。 勝てぬはずがない。」
という状況を作ることも必要だと思っている。
そして練習や試合前にやるウオーム・アップは、時間をかけて念入りにやることで定
評があるとのこと。
私も全く同じ考え方だ。
君達にも是非、プラス思考で見栄っ張りな選手になって貰いたい。
今年の日本ハムがどのような成績を残すのか、興味津々である。