自分自身を「勇気づける習慣」を身につけよう

2001/5/01

「動機づける」と「勇気づける」というのは、目標の達成に向けて、プラスの方向に影響力を
与える…ということでは共通点がある。
ところが、「動機づけ(モティベーション)」と「勇気づけ(エンカレッジメント)」には根本的な違いがある。
それは、自分自身に対する行動です。
「動機づけ」は、自分自身のことはさて置いて、他人だけ動かそうとすることが出来るが、
「勇気づけ」は、自分自身に勇気を与えられない人が他の人に勇気を与えられるはずがない…
という考え方だ。
勇気づけは、お金がない人が他人にお金を与えられない、
幸せでない人が他人に幸せを与えることが出来ない…と同じように、
自分に勇気を持てない人が、他人に勇気を与えることが出来ない、という発想だ。
自分に勇気が欠けていれば、他人を軽視したり、不信の念を持ったりしがちだ。
人間関係には相互作用があって、相手を軽視したり、不信感があれば、相手からも軽視され、
不信の念を持たれる。
また、相手を尊敬し、信頼感を持って接すれば、相手からも尊敬され、信頼される。
これを『鏡の原理』という。
その意味で他人を勇気づける為の大前提は、まず、自分自身を勇気づけることだ。
ここ一番の大舞台で、過度の緊張や不安に襲われ、地に足が着かず、
体がフワフワと浮いた状態になった経験は誰でも一度はあると思う。
英語では、この“あがり”をstage fright(ステージ・フライト)と呼ぶ。
プレッシャーがかかると、交換神経が刺激され、心拍数、呼吸や血圧が増え、
喉がカラカラになる等、生理的反応が生じ、その結果、行動がギクシャクしてミスが生じる。
しかし、世間には「本番に強くて、緊張しらず」と言われる人もいる。
オリンピックチャンピオンでスケートの清水宏保選手やマラソンの高橋尚子選手などは
「クソ度胸の持ち主」と呼ばれたりするが、それはやはり夢にかける思いが、人一倍強く、
厳しい訓練の質と量から培った自信であり、自分自信を勇気づける名人になっている…と思う。
今年1月の言葉で、自分が自分に語る言葉(セルフトーク)のことを書いたが、
このプラスのセルフトークは、物凄く大きな効果がある…ということは、
あらゆる分野で立証されている。
特に寝る前と、朝起きた時にプラスのセルフトークを習慣づけると勝負の世界は勿論のこと、
長い目でみれば、一生素晴らしい人生を送れることは間違いない。
世の中で成功者といわれる人は、みんなこのプラスのセルフトークを味方にしている。
つまり、自分で自分を勇気づける名人になることが、成功する為の秘訣なのである。