成功した時の勢いを活かそう

2006/6/01

春季リーグ戦は2位に終った。
最大の敗因は「勢い」の不足であったと思う。
以前にも話したことだが
チームプレーにとって「勢いがある」ということは、欠かせない大きな勝因の一つである。
どんな競技でも実力をはるかに超えて、勝ち続けるチームには、
負けるわけがないと信じ込んで戦っている選手達が大勢いるものである。
たとえ劣勢になっても、いつか引っ繰り返してやるぞと深く思い込んでいる。
そして本当にその通りに勝ってしまう。
個人一人一人が動き出すことによって生まれるエネルギーは
チームとしてのエネルギーとなり、勢いとなる。
※1
「孫子の兵法」にもある。
【本文】激水(げきすい)の疾(はや)くして石を漂(ただよ)わすに至る者は、勢(いきおい)なり。
鷙鳥(しちょう)の疾くして毀(き)折(せつ)に至(いた)る者は、節なり。
是(こ)の故(ゆえ)に善(よ)く戦う者は、其の勢険(いきおいけん)に、其の節短(せつたん)なり。
勢は、弩(ど)を彍(は)るがごとくし、節は機を発するがごとくす。
【解釈】流れをさえぎられた水が勢いよく流れて、石までもただよわせるに至るのが、
勢いである。猛禽(もうきん)がその飛ぶ速さで獲物の骨を折るに至るのが、節目である。
故に戦いの上手なものは、その敵を攻撃するときの勢いは激しく、
その攻撃をするときの節目は瞬時である。敵を攻撃する時の勢いは、
丁度弩(いしゆみ)を引き絞るようであり、節目は引き金を引くときのように
瞬時に行うのである。
その勢いをつけるためには“自信を持って物事に当る”ということが大事。
この自信が成功へのエネルギーとなる。
人間は自信がないと頑張りがきかないものだ。
だからといって自信はそう簡単には持てないもの。
客観的に成功した例を勉強し、実績を積み重ねることによって
自信がついてくるのである。
君達は昨年の秋季リーグで優勝した経験を活かしきれずに
過ごしてしまったと思う。
“成功したときにこそ反省が必要である。
そうすれば、その成功は次のより大きな成功を生み出す。
反省を忘れると、折角の成功もそこで行き止まり、
退歩につながっていく” ・・・という言葉がある。
私自身の反省も含めて改めて、この言葉の重要性を認識したい。
目的があれば、それを達成しようと誰もが思う。
最も大切なことは、その目的の確認だ。
目的が無いと使命感につながらないし、やる気を引き出すことは出来ない。
「人は希望を失った時に老いる」というが
これは年齢に関係は無い。
古今東西を通じて私達の人生を切り拓くエネルギーの源は、「勇気」と「希望」である。
「青春とは心の若さである。
信念と希望にあふれ、勇気に満ちて、日に新たな活動を続ける限り、
青春は永遠に、その人のものである。」
目標を明確にして、新たな計画を立て直して
その実現のために、実践していこう。
念ずれば、通ず。よく実践し、行動を起こせば、さらに通ず。
である。
そうすれば生き甲斐と張りのある毎日となることは間違いない真実である。
※1
「孫子」は、中国・春秋時代末の兵法家「孫武」が著し二千五百年以上も読み継がれた
名高い兵書でありますが、兵書というよりも人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、
組織の統率法や兵法心理の綾を読み取る上で必携とされています。
日本でも古くから伝えられ、武田信玄が『孫子』の一節から取った言葉「風林火山」を
旗印にしたことは有名です。また、遠くヨーロッパにも伝えられ、ナポレオンが愛読書にしたという話も
あります。現在では哲学書としても愛読され、特に経営者にとって有用な本として人気があります。