自分は必ずやれる!と信じて運命を変えよう

2006/7/01

長野オリンピック・スピードスケートの金メダリスト清水宏保選手は
3歳の頃から喘息の発作が出始めて、小学校の頃に発作がひどくなり、入院した。
以来ずーっと、スケートと喘息との二人三脚。
「スケートをやると体調がいい。肺が鍛えられるからでしょう」
発作を起こさないよう体を鍛えるため、毎朝走りこみもした。
今から考えれば無茶な「治療法」だったが、「何クソ」という気持ちで乗り切ってきたという。
背丈は162cmと小柄で、何よりも肺活量が約2700ccと男としては少ない。
加えて喘息である。
「肺活量が少ないことや喘息をハンディと思うかどうかは、気の持ちようですね。
それらを素直に受け入れて上手につき合っていくことが、何よりも大切です。
不利に思うことはありません。」
「筋肉と同じように肺も鍛えることが出来る」と信じてやってきた。
そうした思いが苦しいトレーニングを乗り越え、喘息の発作を防いできた。
現在でも、一年中、風邪をひかないように気を遣っている。
「私の場合、大学で生理学や、解剖学を学んだことが大きく役立った。
自分の体をよく知って、自分なりに発作を抑える工夫をすることも大切」
と言っている。
高い目標を持って、限界まで挑戦する強い意思で
自分の体の欠点とも素直に向き合って、人一倍勉強して
世界のトップに立った清水選手に感動する。
(長野オリンピックで優勝した時、私はこのことを知らなかった。)
「できない理由よ、さようなら。やってみようよ、今日は」
という言葉を私は君達に何回か話したことがある。
以前、読んだ本「自分の壁を破る人・破れない人」(渡部昇一著)の中に
「人生で一番大切なことは、何か、一つあげよと問われたら、
私は躊躇無く、『出来ない理由を探すな』と言いたい。
もしたったこれだけのことでも、1ヶ月・2ヶ月・1年と言い続けたら、
あなたの人生に必ずや“奇跡”が起こるであろう。」と書いてあったことを覚えている。
君たちが社会人となって会社に勤めたとして
その会社の部長を目指す人も、その上の経営者を目指す人も、
レベルの違いはあれ、努力の量は同じである。
仕事で悩んだり、トラブルに巻き込まれたりすることは、誰にでも同じようにやってくる。
理想や目標というのは、それが高かろうが低かろうが
そこへ到達する努力の量はあまり変わらない。
目標を実現する人とそうでない人の差は、結局目標を見失わずに持ち続け、
何があっても諦めずに進めたか、それを投げてしまったかの差に過ぎない。
学生時代には、現在の自分或いは将来の自分についていろいろ悩む事が多い。
それが学生の特権なのかもしれない。
しかしそれらの悩みは社会人となったとたんに、仕事に追われて悩んでいる暇などないから
消えてなくなってしまう。
仕事というのはそれほど重いものだ。
そう考えると青春時代の人生論や悩みというのは“贅沢なもの”といえる。
だからもし、将来について悩んだり、不安に思ったり、
或いは何かに失敗して、失望しているのなら
それらの悩みは“贅沢な悩み”だと思えば、心は自然と晴れてくるのではないか。
何か自分で思うことを「やろう!」とするとき、人は二つの壁にぶち当たる。
それは自分の能力の壁と環境の壁である。
能力の壁とは、自分の問題で自分の力不足であるから、これは自分次第で何とでもなる。
これに対して環境の壁は物理的な壁だから、今の時点ではどうにもならないこともある。
そういうときは、とりあえず時機を待つ事にすればいい。
直ぐに実現できなくても「いつか必ず自分にはやれる」という気持ちを持って
「やるための理由」を掲げて努力を怠らない人には
不思議なことに、天から“助けのロープ”が降りてくるものである。
出来ない理由を押さえて、やってみれば何とかなるということを信じられるかどうかは、
その人の覚悟次第でその覚悟をすることによって「運命」を変えることも出来るのである。