熱意と努力の新記録

1999/6/01

リーグ戦7連覇、新記録達成、おめでとう!
昨年秋のリーグ戦が終わってから、約8ヶ月。
戦力から見て、どうみても今期の優勝は難しいかな…と思いつつ、努力は無限。
可能性はある…と私なりに自己暗示をかけ、周囲にも「明治には優勝しかないよ」
とハッパをかけてきた。
渋谷・佐藤・小畑の指導陣が、まずその気になって燃えた。
その熱意に、吉山主将がその気になったと思う。
元監督の四ヶ所氏も燃えた。
上海、台湾、上海、福島と渋谷・佐藤両氏の熱意によって、過去の明治大学にとっては
考えられないような合宿訓練を重ねてきた。
質量とも他校を圧倒した内容だったと思う。
リーグ戦の直前、指導陣の中でも、
「何とかいけるかも知れない。しかし、とにかく初出場選手が多いので、
フタを開けてみなければ分からない。」或いは、
「後2ヶ月あれば何とか間に合うレベルまで引き上げられるのだが。」
などという声があった。
第二戦で埼玉工大戦に負けたときは、Bクラスの5位まで落ちるか…という不安もよぎった。
しかし、この敗戦で踏ん切りがついて、ベンチも選手も強気な闘争心に変った。
試合後、私は「反省する前に笑え」と言った。
第三戦、専大戦の朝早く、吉山主将に電話をして、
「選手全員、鏡の前に立って笑え。苦笑いでもいい。
笑うとドーパミンという人間を活性化するホルモンが出て、エネルギーが沸いてくる。
とにかく明るく前向きになることが大事だ。」…と。
実行したかどうかは確認していない。
しかし少なくとも、この試合で選手はみんな強気に戦った。
その結果、勝利の女神が微笑んでくれた。
関根は奇跡的な逆転劇を演じ、この勝利で明大に向けて風が吹き始めた。
そして運が開き、ツキを呼び寄せることが出来た。
これは選手全員と指導陣の熱意と努力の結果であると確信し、心から敬意を表したい。
チームを生き物にたとえれば、選手は個々の細胞である。
戦う細胞がそれぞれ強くなり、一つの方向に向けて最後まで戦うような「風習」が定着してくればしめたもので、これは凄い。
後は指導者が言わなくても、先輩から後輩、新人へと良き伝統が受け継がれていくものだと思う。
平沼昇さんは体調をこわして、入院されることになった。
その間、管理の問題もあって一般のお客様には卓球会館を閉鎖することにされた。
入院される前の日、リーグ戦の会場にひょっこり顔を出して応援して頂いた。
先日、リーグ戦終了後の総括ミーティングで、平沼さんが挨拶された。
「児玉さんや渋谷さんとは、もう40数年の付き合いで、我が家の母屋で家族同様、
泣いたり、笑ったり、色々な体験をした。
体育館を閉めるのを一週間早めて、明治の選手に思う存分練習してもらって、
どの位強くなったか楽しみだった。
試合会場に行って、他大学はOBの応援が少なかった。
明治はOBが大勢来て、一生懸命応援していた。その差を強く感じた。」
要約すると以上のようなことだったと思うが、
「厳しい訓練を重ねてきて、このメンバーで本当によくやったな。」
という思いと感慨が、その言葉の端々に滲み出ていて、本当に選手達を子供のように
見守ってくれているのだな…と感じ、涙の出る思いで聞かせて頂いた。
今回のリーグ戦を通して感じたことで、「3つの提言」をする。
3つの提言
*ツキは自分の力で呼び込め
2つの道があるときは、困難な道を選べ。
「慎重(大事)にやろう」と思ったときは思い切った積極的な道を選べ。
成功への進路は限りなく太くしよう。
*最後までやり遂げるしつこさを持て
詰めが甘ければ、何もしなかったのと同じこと。
「しつこさ」が大きなドラマを生み出す。
*自分の力に絶対的自信を持て
すべての問題解決は「自信を持つこと」から始まる。