強い決意とは、やると決めること

2002/11/01

先日の役員交代式での4年生の挨拶を聞いて、私は感動した。
自分自身が過ごした4年間、明大卓球部を愛する気持ち、後輩を思う心、今後への期待、全員がそれぞれの語り口で素晴らしい内容だった。
新入生として入学してきたときの彼らのことを思うと、本当に成長してくれたものだと、
つくづく感じ、涙が出そうになる程、嬉しかった。
「これが、明治大学卓球部の財産だ」と確信した。
柳田新主将、渡会新主務をはじめ、3年生全員の挨拶と抱負もよかった。
来年は全タイトルを取りたい…と言っていたが、
その目標は期限をつけた具体的な強化計画でなければならない。
まず、メンタル・タフネス
    体力強化
    技術力強化
やるべきことは、ムチャクチャ多い。
強い決意とは、やると決めて、いかなる困難でも受入れるのだ…と決めること。
決意するにあたって、大切なことは、どこまでの困難を受入れる覚悟が出来るかである。
“日本一になりたい”と思ったら、日本一の困難を乗り越える決意をしなければならない。
決意をするには、今、自分がどのような状況にいるかは関係ない、
決意をすると、目的を達成するために、一つでも多くの問題を
少しでも早く見つけ出して、対処していきたくなる。
決意は顔に現れる。君達の顔がどのように変わるか楽しみでならない。
メンタル・タフネスは天性の素質ではない。
メンタルタフネスは、練習によって身に付けることができる“技術”なのである。
精神力の強さは、結局生まれつきのものだ…という人がいるが、
それは違う。
メンタル・タフネスは習得可能な技術なのである。
それは、単に気が強いとか、闘争心に溢れているという意味ではない。
いかにしたら、自分を高い集中状態におくことができるかという、
徹底したセオリーに裏打ちされたシステムであり、技術だからである。
分析の結果によれば、選手の性格もメンタル・タフネスには直接関係がない。
どんな性格、外向的でも内向的でも、無口でもお喋りでも、強くなれる。
勝つために性格を変える必要は、全くない。
ただし、強靭なメンタル・タフネスを得ようとするならば、
次のことを身につけなければならない。
「自主性、自発性」
  やる気は外から強制されるものではない。自分の中から生まれるもの。
  選手になったのは自分の意志であり、
  自分が勝ちたいから卓球という競技に賭けているのだ…という認識。
「感情のコントロール」
  審判のミスジャッジや自分のイージーミス、会場の不備、苦手な対戦相手、
  観客のヤジやうるささ、などに心を乱されないクールな自己コントロール
「強い責任感」
  自分のプレーにはすべて自分で責任を持つ。言い訳をしない。
  敗戦やミスを他人のせいにしない。すべては、自分が勝ったか、負けたか、
  それでしかないのだ。
その他、「平常心」「対応力」「判断力」「決断力」「集中力」など
いくつかの要素がある。これは、以前(‘98年12月号)で記述した。
どんな競技でも世界のトップ・プレーヤーたちは「最大の敵は自分である」と
口をそろえていう。
自分自身を制してこそ、対戦相手に立ち向かうことができる。
勝利のゴールに、いつも大きく立ちはだかっているのは自分自身だ。
自分さえ、コントロールできれば、
対戦相手や周囲の環境との闘いはさして苦しくない。
自分のベストを尽くすことに専念できた時程、結果がいいのはそのためである。
自分との闘いは厳しい。それは、“究極の集中力”への挑戦である。
この闘いを日々続けていくことが勝利への道であり、
メンタル・タフネスを獲得するための基本である。