メンタル・タフネスの正体

2003/8/01

スポーツマンの心理を解剖すると次のポイントがあがる。
①プレーの安定性は、精神的安定の結果である。
一貫して安定した力を発揮するには、精神的な持続力が要求される。
心理的に浮き沈みの激しい選手は、成績も安定しない。好調を維持するには
心理的コントロールが前提条件となる。試合中、安定した心理状態をつくりだし、
維持できるかどうかが勝負の大きなポイントだ。
②試合の結果は、各選手の内面的な状態を正確に反映している。
プレーの出来、不出来は、その時々の内面の反映である。不安を感じていればミスにつながり、理想的な集中ができていれば、ごく自然に好プレーができる。
③選手が実力をフルに発揮できるかどうかは、選手自身やチームの内部に、
ある特別な心理状態をつくりだし、維持できるかどうかにかかっている。
選手の心理状態と好不調の波をつきあわせてみると、好調な場面では必ず、
選手はある特別な心理状態にある。試合中、この特別な心理状態に入り込めたら、
まず怖いものはない。ごく自然に最高のプレーができ、会心の勝利につながるだろう。
 これが重要なキー・ポイントだ。
 どんな選手、どんなチームにも、競技能力を最大限に引き出すことのできる
特別な心理状態がある。
それは、“体はリラックスしていながら、自信に満ち集中力がみなぎっている状態”である。この理想的な心理状態を明治大学卓球部では、
 R・C・C (Relax ・ Confidence ・ Concentration )と名付けよう。
一流選手たちは試合のたびに、このR・C・Cを獲得し、維持することに成功している。
だからこそ安定したプレーで常に勝利を得ることができる。
 これがまさにメンタル・タフネスの正体である。
ジム・レーヤ―は、多くの選手の話を聞いた結果、たとえ精神的に強い選手でも、
プレッシャーを感じると満足なプレーができなくなることがわかった。
プレッシャーがかかると、世界のスーパースターでさえいい結果が出せない。
 ところが、彼らのほとんどはプレッシャーに襲われそうな状況になると、
無意識にそれを解消する方法を身につけている。
 つまり、大試合でゲームが大詰めを迎えているにもかかわらず、
彼らが最高のプレーを演じられるのは、プレッシャーを克服しているからではなく、
まったくプレッシャーを感じていないからである。
 “プレッシャーは選手自身が生み出しているものにほかならない”
冷静に考えてみるとプレッシャーはすべて、
選手の頭のなかで勝手につくりだしていることがわかる。
 プレッシャーとは、ある状況に対する本人の捉え方の問題にすぎない。
決して外部から物理的な力が加えられているわけではない。神経質になったり、
不安になる原因は状況そのもにあるのではく、選手自身の意識そのものにある。
プレッシャーをなぜ感じるのか、その原因をしっかりと理解できれば、
プレッシャーとの闘いはとても楽になるだろう。その克服法も見つけられる。
精神的にたくましい選手たちがプレッシャーに強いのは、
気持ちの切り換えがうまいからだ。彼らは、プレッシャーをつくりだすのが、
自分自身であることをよく知っている。また、気持ちの持って行き方を誤ると途端に
プレッシャーがかかることも心得ている。だから早めに気分を切り換える。
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📷【プレッシャーを軽くする思考】
【プレッシャーを生む思考】