指導者が考えていること(思い)

2005/3/01

今月は新入生も集合し、実質的には、
いよいよ新しい体制による明治大学卓球部がスタートすることになる。
そこで、今回は指導陣がどのような思いと考え方で君達を指導しているかを
理解してもらうことも大切なことだと思い「今月の言葉」とする。
指導者の役割は常に卓球選手として大成させるばかりではなく、
スポーツを通じた“人間作り”にある。
指導者にとっては、心の底から卓球が好きで好きで、
人一倍努力する素質を持ち、高い目標を持った選手にめぐりあえれば、
こんなに運がいいことはないし、幸せな指導者といえる。
そういう選手を日本のトップアスリートとして活躍し、
世界にも通用する選手に育てたいと願っている。
そのために指導者として最も大事なことは、
意欲の動機付けと適切な刺激を与えることだ。
上から押し付けてやらせても、或るレベルまでしかいかない。
強くなりたいと目標の高い選手程、一生懸命勉強して努力しているから、
指導者はそれ以上に勉強し、常にアンテナを張って正確な情報を得ることと
世の中で成功した人の話や、他の競技の指導者との交わりを持ったりして、
自分自身を磨いていくことだ。
そして、選手の成長に応じて、適切な刺激を与えていく。
これが指導者として最も大事なことである。
選手自身が意欲をもって目標が高くなればその選手は無限に伸びていくものだ、
と確信している。
監督というのは全責任を負わなければならない。
だから何から何まで自分が命令しなければならない、
又選手の側もそれが当たり前だ・・・と思いがちである。
だけど実際は違う。
結局は選手を信頼し、選手からも信頼され、コミュニケーションをよくする。
どれだけ選手を信頼できるか、
監督の仕事は信頼することも一つの才能だと思っている。
長所を見つめて、根気よく語りかけて理解してもらうことが大事だ。
私はいつもミーティングの時、卓球ノートを書かせることにしている。
それは何故か。
人の話を聞いたり、自分で感じたことを書く・・・ということは
感性が高まるし、「観る力」が養われる。
自分を観る。相手を観る。仲間を観る。そして敵を観る。
観る力がついてくると、どんなことにも、今起こっていることや
これから起こるだろうということにイメージが沸いてくる。
そうすると自然に力が沸いてきて行動に表れるものだ。
指導者にとって大事なことは情熱と思いやりです。
物事を成し遂げるときには、
熱意というものが最も大事な要素である。
目標のないところには熱意やヤル気は起こらない。
指導者が、熱意を込めて方針を語り、全力を傾ければ必ず、
選手達もその熱意に動かさずにはいられない・・・と確信している。
熱意は必ず感染する。心理学者はこれを“感染反応”と言っています。
そしてモラールが高まって、素晴らしいチームワークが出来る。
私は会社でも、スポーツの世界でも、このことは何回も体験してきた。
この熱意のことを、今の時代では「気」が出るとか
「オーラ」が出ているとかいうが、それと同じものだと思う。
監督や指導陣がどのような「思い」で君達の事を考えているのかを
知っておくことも大事なことだと思ったのである。