野尻 博さんの話

2002/4/01

上海交通大学との交流も3回目となり、訓練の中身も濃くなって、より良い関係が深まって
きたように思う。彼等との差も縮まり、一部の選手には明らかにこの半年位での成長が
顕著に現れていて嬉しかった。
来年は是非彼等を圧倒するような選手が数人は出現して貰いたい。
目標をもって努力すれば、そんなに難しいことではないと思う。
私は最近感じたり、ときどき夢を見たりするのだが、現在の現役選手の中から、
「この1~2年の内に日本チャンピオンが誕生するのではないか」…と思えてならないのである。
それは、本人の「決意」と「努力」次第ではあるのだが…
これは、君達の先輩で上阪俊司氏(S.53卒. 主務 石谷 悟氏と同期)があるセミナーで
聞いた話である。
野尻さんは、背中にドラムを背負ってギターやエレキ、シンセサイザー、ピアノといった、
一人で7~8もの楽器を演奏するエンターテイナーです。自称大道芸人とも言っており、
その道では、日本より欧米での活躍が認められており、欧米での方が有名な方です。
(クリントン前大統領が彼をひいきにしていた話は有名)
大道芸人というのは、道行く人の足を止め、注意を引き、関心をそそるように、
自分のパフォーマンスをアピールするということで、大変なエネルギーが必要で、
先日の野尻さんのお話や、演奏を聴いてもすごいエネルギーとすごいパワーを感じました。
お客さんに感動してもらうには、本物のプロであり続けなければならない、
そして、その本物のプロになるには、次の三つの要素を追求することが必要だとのことでした。
①練習
②トレーニング
③稽古
なんだ、一に練習、ニに練習、三、四が無くて五に練習と言っているのと同じじゃないかと
感じた人がいると思いますが、実は少し違った意味が含まれています。
「練習」は
「技術を磨く」ことで、一流のプロになるには一流の技術を身につけなければ
なりません。一流の技術を磨く為に努力する、これは、いいですね。
「トレーニング」は
「心と体を鍛える」ということです。どんなに一流の技術が身についてもそれをどんな場面、どんな境遇においても出せなければ何にもなりません。一流の技術を発揮できる強い心、広い心を鍛えなければならないし、それを支える体力を向上させ、健康を維持させていく
ことが大切です。
「稽古」は
「芸を磨く」ということです。芸を磨くというのは、自分の目指すものに究極的に
何が必要かを見極め、それを追求していく姿勢をいいます。例えば、野球選手が集中力をつける為に座禅を組んだり、或いは、剣道や相撲の練習に参加したりしますが、そういったことです。
以上の三点ですが、一番目の技術を磨くことについては誰しも一生懸命になれるところですが、二番目、三番目となると最近のプロと呼ばれる人達の中でも、目をむく度合いが少なくなり関心が薄れていく傾向にあるようだと言われていました。
また、これは何も芸人やスポーツの世界に限ったことではありません。広く一般の我々にもいえることではないでしょうか。
例えば、一番のものを持とう、自分の得意は何か、それを伸ばしていこうと
よく言われます。そういった時にこのことを少しでも意識して努力していくようにすればよい。…と思いました。(上坂俊司氏談)
ある有名なピアニストは
「体や指先が勝手に動くまで練習する以外方法はありません。
そして、どんな挫折にもあきらめず、練習し続ける強い思いが大切。
運でピアノは弾けません。できるまでやる!それ以外に方法がありますか?」
ただ、それだけのことだという。
結局、今日もどんな夢を掲げ、どれだけ努力したか…
難しいことだが、非常にシンプルである。
人生はすべて自分で決めているのです。