心の持ち方とコミットメントの重要性

2009/2/01

水谷、単複2冠の三連覇おめでとう。
新聞紙上では「風格」「貫禄」とかの言葉が踊ったが、
本人にとっては苦しい内容だったと思う。
「すべての選手が、自分の苦手なところにボールを集めてくる。
全日本で勝つのは、本当に難しいと年々感じる」(朝日新聞)
「早くも若手から追われる立場になったが、
(伸び盛りの相手だから)こちらから仕掛けないと押される」と
常に攻撃を心掛けたという(日本経済新聞)
私も、大会2日前に、大試合に臨む基本的な考え方をチェックすることを
アドバイスするメモを渡した。
だが、特にシングルスの初戦では、想像以上の固さがあり、驚いた。
しかし、勝ち進むにつれ、徐々に動きが良くなってきて、
決勝戦の直前には、フットワークを交えた集中力の高い練習をしていたので、
これなら「必ず勝つだろう」と確信できた。
「落ち着いて得点、失点を振り返り、
作戦をどんどん変えられた」(読売新聞)
成功する人は、成功することを信じて疑わなかった人です。
コミットメント(commitment)という英語がある。
この英語は、辞書を引くと「決意」とか「決断」とか出てくるが、
実は適切な日本語訳がない。
コミットメントとは
「何が何でもやる」「必ずやり遂げる」「できるまでやる」という意味で、
「命を懸けてやる」という位の決意、決断をもって、
ことに当たるというレベルの言葉です。
だから、我々が絶対に手に入れたいと思うものがあるなら、
一般的に考えるレベルの欲望とか決意ではなく、
コミットメントのレベルに自分を高めていくことが重要です。
それには、現在の自分を見ることが大事です。
10点満点で考えたとしたら、今の自分は何点ぐらいだろうか・・・
ということを考えてみる必要がある。
そして、今の自分は5点位だったとしたら、
こういう点をもっと強化しなければいけない・・・と
頭では解ってはいても、現実に考え方を変えて実行に移さなければ、
解っていないことと同じで、すべての源は自分にあるのです。
今、自分が手に入れているものは、好むと好まざるに関わらず、
それを手に入れるために、
自分自身がそれなりにベストを尽くしてきたもの。
このことは、意識的であろうと無意識であろうと、それを手に入れるために
自分で選んで、自分で決断をしてきた結果です。
すべての源は、自分にあるということは、
自分の身の周りに起こっている
良いことも悪いことも全て、自分が引き起こしているということであり、
責任は全部自分にあるという考え方です。
だから、その状況を変えたいと思うなら、自分自身の意志で、
自分がこうありたいと思う結果を、
叶えるためにコミットメントすることである。
これは「脳に良い刺激を与える」ことにもなり、
運を手に入れ、運を育てることにもつながっていきます。
脳の前頭葉に放射される、神経伝達物質である
β-エンドルフィンやドーパミン
(快感・快楽をもたらす、体に良いホルモン)を
刺激しなければならないということです。
1999年7月号と2002年の2月号の「今月の言葉」
にも紹介しましたが、
バイオテクノロジーの第一人者である、
筑波大学名誉教授の村上和雄先生は、
最新の遺伝子研究を通して、
あらゆる能力や可能性の源は遺伝子にあると言っています。
「人間には、目に見えない偉大な自然の力があるが、
残念ながら95%以上の人が、この力を使っていない。
その遺伝子のスイッチをONにすることが出来れば、
奇跡を起こすことができる」・・・と。
スイッチとは、考え方のことです。
そのスイッチをONにするためには、
高い志とプラス思考で物事を考えれば良いのである。
だから我々は、周囲の環境や外からの刺激、
或いは心の持ち方や精神的な作用によって、
眠っていた遺伝子を目覚めさせることが大切です。
我々の想像以上に、心の持ち方は、
体にも大きな影響を与えていて、
良い遺伝子を目覚めさせ、健康や能力の向上、
イキイキと楽しい人生を送ることを
可能にし得るわけで、遺伝子スイッチONの生き方をするためにも、
自分自身にコミットメントして、目標に向かって全力を尽くすことが、
本当に大事なことだと思う。