メンタル・タフネスは“自分との闘い”である

2017/6/01

『メンタル・タフネスは“自分との闘い”である』
精神力の強さは、生まれつきのものではありません。
それは、単に気が強いとか、闘争心に溢れているという意味ではなくて、
いかにしたら自分を高い集中状態に置くことができるかという技術だからです。
素晴らしい素質を持った選手が期待ほどに活躍できないまま引退するケースは多い。
私は明治大学の監督として、ナショナルチームの監督として、
何百人の選手を育ててきた体験で、痛いほどこういうケースをみてきた。
スポーツ心理学の世界的権威で、ビジネス面にもその考え方が大いに取り入れられている
ジム・レーヤーの言葉も参考にポイントを記します。
メンタル・タフネスは、練習によって身に付けることができる習得可能な“技術”なのです。
メンタル・タフネスが生まれつきの才能ならば、
「自分にはメンタル・タフネスがない。だからダメなんだ、仕方がない」と、
簡単にあきらめるしかないだろう。それが得られないままに引退していく選手は、
それが磨かれずに終わってしまったにすぎないのです。
分析の結果によれば、選手の性格もメンタル・タフネスには直接関係がない。
どんな性格の持ち主であっても、メンタル・タフネスは獲得することができます。
外向的でも内向的でも、無口でもお喋りでも、強くなれる。
勝つために性格を変える必要は全くないのです。
強靭なメンタル・タフネスを獲得しようとするにはどうすれば良いのか?
まず、『自主性』 『自発性』が大事です。
やる気は外から強制されるものではない。 自分の中から生まれるものだ。
選手になったのは自分の意志であり、「自分が勝ちたいから卓球の道に賭けているのだ」
という認識を持たなければいけない。
次に、『感情をコントロール』すること。
審判のミスジャッジや自分のイージーミス、試合会場の不備、ムシの好かない対戦相手、
観客のヤジなどに気持ちを乱されないクールな自己コントロール。
そして、『強い責任感』
自分のプレーには、すべて自分で責任を持つ。 言い訳をしない。
敗戦やミスをして、決して第三者のせいにしない。
勝ったか負けたかは全て自分がやった結果でしかないのだから。
その他、平常心(不意打ちを食らったとき、動じない心)
決断力、集中力などいくつかの要素はある。
あらゆる競技の世界の一流選手は、大事な試合で強烈な精神力を発揮する。
彼らは、優れたメンタルタフネスの持ち主だから、
普段の技術を越えたスーパープレーを本番でやってのける。
一流になれるかなれないかの分岐点は、まさに“メンタルタフネス”にあるのです。
世界のトップ・プレーヤーたちは「最大の敵は自分である」と口を揃えて言う。
自分自身を制してこそ、対戦相手に立ち向かうことができる。
勝負に勝つためにいつも大きく立ちはだかっているのは自分自身だ。
自分さえコントロールできれば、対戦相手や周囲の環境との闘いはさほど問題はなく、
こだわりを捨て、自分のベストを尽くすことに専念できた時ほど結果がいいのはそのためだ。
ところが、プレーに集中していた神経が緩み、勝敗の行方を気にし始めたりすると、
途端に思い通りのプレーができなくなる。 ミスが続いたりする。
それは、勝負に捉われる気持ちが不安を引き起こし、筋肉を緊張させ、
集中力を失わせるからだ。
逆に、自分との闘いに専念している時には、不安定なプレーやイージーミスはほとんどない。
試合で“自分との闘い”に専念できたかどうかは次の方法でチェックすることができる。
どんな場面でも持てる力を100%発揮し、ベストを尽くしたか積極的に、思い切りよくプレーをし続けたかその日、自分が行ったことの責任は全て自分が取り、
他人や周囲の状況(仲間、友人、天候、用具の不備)や、
対戦相手などに、責任を転嫁しなかったか。
試合の後、以上の問いに自信を持ってイエスと答えられれば、
自分との闘いに勝ったと言える。
公式試合でも、練習試合でも、試合後必ずこれらのポイントを自問し、
どれだけ達成できたかをチェックする。
これは大切なメンタルタフネス・トレーニングのひとつである。
自分との闘いは厳しい。 
それは“究極の集中力”への挑戦でもある。
この闘いを日々続けていくことが勝利への王道であり、これしかない!
参考(勝つためのスポーツ科学/メンタルタフネス ジム・レーヤー著)