​第3回(2020年)未来のいしずえ賞 スポーツ部門

​スポーツ部門 受賞者

Hiroko Narita

成田ヒロ子

(パラリンピック競泳金メダリスト〈アトランタ・シドニー・アテネ・北京・リオ5大会に出場し、金メダル15個獲得〉成田真由美さんの母親)

13歳で脊髄炎を発症し両下肢麻痺となった成田真由美さんのパラリンピック競泳での輝かしい活躍と挑戦を支え、障害者スポーツの普及に貢献している。

(ナリタ ヒロコ)1941年青森県生まれ。1963年に結婚、1966年に長女を出産、1970年に真由美さんが生まれる。1974年(株)ポーラ化粧品に入社。

​1996年の園遊会には成田真由美さんと共に出席、天皇、皇后両陛下(現・上皇、上皇后両陛下)に優しくお声がけいただき号泣。2019年の饗宴の儀では皇居宮殿・春秋の間で天皇、皇后両陛下にお声がけいただき感無量に。

推薦人 武藤 芳照

(東京健康リハビリテーション総合研究所所長、東京大学名誉教授、日本転倒予防学会理事長)

推薦のことば

パラリンピック5大会・競泳で金メダル15個を獲得し、「水の女王」と称される成田真由美さん。活発にバスケットボールに親しんでいた中学生の時に、病気で車いす生活となった彼女を、ヒロ子さんは長年、母親として支え続けてきました。「私が変わってあげられるものなら」と、幾度も幾度も悩みながらも、大きな困難な中でも、いつも笑顔を絶やさずに、真由美さんに寄り添ってきました。それと共に、彼女を支えてくれるスタッフや仲間たちを常に大切にし、心遣いを忘れないやさしい対応と芯の強さは、真由美さんの国際的な活躍の原動力になっていたことでしょう。
「見えない努力を讃える」という本賞に誠にふさわしく、「真の輝く金メダリスト」として、ここに推薦いたします。

推薦人 兒玉 圭司

(株式会社スヴェンソンホールディングス代表取締役会長)

 

​第3回(2020年)未来のいしずえ賞 医療部門

​医療部門 受賞者

Kazutoshi Takahashi

高橋 和利

(京都大学iPS細胞研究所 特定拠点准教授)

体細胞の初期化に関する論文の共著者としてiPS細胞作製に貢献し、その後も革新的な基礎研究を継続している。

(タカハシ カズトシ)1977年生まれ。同志社大学工学部卒業後に奈良先端科学技術大学院大学に入学、山中伸弥研究室に入る。研究室の京都大学への移籍後も引き続き、山中教授の右腕としてiPS細胞の研究を支える。2006年から特任助手、2008年から助教、2009年から講師を務め、2015年からは米グラッドストーン研究室で山中研究室の研究員として勤務。2019年に帰国後、現職。

​推薦人 山中 伸弥

京都大学iPS細胞研究所所長、教授

iPS細胞研究所の前にて

撮影:2017年5月
京都大学iPS細胞研究所

推薦のことば

高橋和利君は、私が奈良先端科学技術大学院大学で初めて自分の研究室を持った時の最初の大学院生のうちの1人でした。彼の持つ、失敗することを恐れない強い心と、大胆な発想をすぐに検証する実行力は我々の研究を一気に加速させ、iPS細胞の樹立に大きく貢献してくれました。
もし、高橋君がいなかったら、iPS細胞の誕生は大幅に遅れていたでしょう。科学を追求する心、研究を遂行する高い能力、そして人間力、すべての面において、彼は私が知る日本人研究者の中で群を抜いています。研究室で指導した学生ではありますが、現在も生命科学研究で世界をリードしている高橋君のことを心から尊敬しており、ここに推薦させていただきます。

 

​第3回(2020年)未来のいしずえ賞 保健福祉部門

​保健福祉部門 受賞者

Teiji Nakamura

中村 丁次

(神奈川県立保健福祉大学長、公益社団法人日本栄養士会会長)

日本における栄養学の基礎を築き、栄養を通して人々の生命と健康、幸せに貢献し続け、さらに栄養課題に向けた国際的な取り組みも促進している。

(ナカムラ テイジ)1948年生まれ。徳島大学医学部栄養学科を卒業後、東京大学医学部の研究生となり、1985年に医学博士号を取得、聖マリアンナ医科大学病院を経て、2003年より神奈川県立保健福祉大学教授、2011年から同大学長に就任し、現在に至る。
2014年にはHanoi Medical University, Vietnam Visiting Professor for the Nutrition Bachelor Courseも務める。
公益社団法人日本栄養士会会長、日本栄養学教育学会理事長、日本臨床栄養学会名誉会員、消費者庁「特別用途食品制度に関する委員会」委員長、日本健康会議実行委員(日本健康会議:~健康なまち・職場づくり宣言2020~)、The 8th Asian Congress of Dietetics(2020),Chairman of the Organizing Committee、「東京栄養サミット2020」に向けた調査・分析等一式等における有識者会議座長を務めるほか、講義や出版活動にも取り組んでいる。

​推薦人 大谷 泰夫

(神奈川県立保健福祉大学理事長)

推薦のことば

我が国は、官民共同による積極的な栄養改善により、戦後の低栄養からいち早く脱却し、高度経済成長後の過剰栄養に伴う肥満や生活習慣病をも抑制し、長寿国家を維持し続けています。中村氏は日本栄養士会会長さらに神奈川県立保健福祉大学学長として、栄養改善や保健医療福祉を担う専門職養成のいしずえとなり、この分野を先導してきました。このような経験を活かして、ベトナムの栄養士制度の設立に尽力し、グローバル・ヘルスの促進に向けても積極的に取り組むなど、国際的な規模で人々の生命と健康、そして幸せに貢献し続けておられます。

 

​第3回(2020年)未来のいしずえ賞 教育部門

​教育部門 受賞者

Fumiko Senju

故・千住 文子

(教育評論家、エッセイスト、芸術家3兄妹-千住博さん、明さん、真理子さんの母親)

長男・博さんは日本画家、次男・明さんは作曲家、長女・真理子さんはヴァイオリニストへと、自ら道を拓かせ、三人を世界的な芸術家として育て上げた。

(センジュ フミコ)1926年生まれ。
明治製菓研究所薬品研究室研究員として抗生物質の研究に従事、退職後結婚。慶応義塾大学名誉教授・工学博士の夫、千住鎮雄と共に芸術三兄妹として知られる日本画家の千住博、作曲家の千住明、ヴァイオリニストの千住真理子を育て上げた。2000年に夫他界後、教育問題に関する講演会や執筆を行い、テレビ・ラジオにも出演。2013年永眠。
主な著書:「千住家の教育白書」(時事通信社・新潮文庫)、「母と娘の協奏曲」(時事通信出版局)、「千住家にストラディバリウスが来た日」(新潮社)、「千住家の命の物語」(新潮社)

​推薦人 コシノジュンコ

(デザイナー、JUNKO KOSHINO株式会社)

推薦のことば

千住文子さんは、芸術三兄妹として知られる日本画家の千住博さん、作曲家の千住明さん、ヴァイオリニストの千住真理子さんのお母様です。
子どもがみずから興味を持って集中することを大切にし、親がレールを敷くのではなく、子ども自身に進みたい道を選ばせ、一度決めたら、安易な近道はさせず、どんな時間がかかってもみずからその道を拓くのを待つ。こうした千住家の教育観は子育てに悩む人々に大きな勇気と共感を与えてきました。文子さんは2013年に亡くなられましたが、数々の著書に遺された珠玉の言葉は、子どもたちの生きるチカラや自分自身で学ぶ力が問われる今、ますます貴重な指針を与えてくれるものとして、ここに推薦させていただきます。

 

​第3回(2020年)未来のいしずえ賞 社会活性化部門

​社会活性化部門 受賞者

Kyoko Otani

大谷 恭子

(弁護士、若草プロジェクト代表理事)

若草プロジェクトの活動により、SOSを心に抱えた少女や若い女性たちと支援者とをつなげ、彼女たちの心に寄り添う支援を行う。

(オオタニ キョウコ)1950年生まれ。1974年早稲田大学法学部卒業。1978年弁護士登録。刑事や少年事件を通じ、特に、東京弁護士会が若手弁護士の育成のために設立した北千住パブリック公設事務所の所長を務める中で、一見豊かに見える今の日本で、少女や若年女性が様々な困難に直面している実態を知り、連合赤軍事件永田洋子氏の弁護で知り合った瀬戸内寂聴氏と障害者制度改革の過程で知り合った村木厚子氏らとともに、2016年、少女と若年女性の支援を目的とする「若草プロジェクト」を立ち上げる。死刑囚永山則夫氏の院宣をペルーに届けるために設立された「永山子ども基金」代表。死刑制度の廃止、罪に問われた人、障害のある人、子ども、女性ら社会的に不利益な立場に置かれた人の権利を守る活動をしている。

​推薦人 瀬戸内 寂聴

(作家・僧侶、若草プロジェクト代表呼びかけ人)

推薦のことば

大谷恭子さんは、永山則夫氏や重信房子氏などの重大事件を担当してこられた弁護士です。また、女性や障害がある方など、社会的に弱い立場にある方の地位向上に一貫して努めてこられました。5年前、SOSを心に抱えた若年女性を支援する団体「若草プロジェクト」を村木厚子さんと立ち上げ、活動されており、私も、呼びかけ人として参加しています。少女たちを取り巻く問題に正面から向き合い、多方面から支援を行うため、日々尽力されています。
勇気と信念をもって、社会から切り離されてしまった人々に寄り添いつづける姿勢に、尊敬の意を込めて、ここに推薦いたします。

​推薦人 岡山 慶子

(株式会社朝日エル会長)