集中力、決意

ソルトレークでスケートの清水宏保選手は、0.03秒=3/100秒(アッ…という間のない時間)の

差で金に届かなかった。

横綱双葉山は、安芸ノ海に敗れて連勝記録が69で止まったとき、

「我いまだ木鶏たりえず」と恩師の安岡正篤氏に電報を打った…という話は余りに有名である。(木鶏という言葉は木彫りのように泰然とした最強の闘鶏のこと)

しかし、あまり知られていない勝った安芸ノ海の逸話も素晴らしい。

部屋に戻ると親方は、ほめるどころか、ニコリともせず、ひと言、

「勝って騒がれるよりも、負けて騒がれる力士になれ」と言ったそうだ。

腰痛に泣きながら、敗れて騒がれる高みに立った清水選手の精神力、

彼の『心の内なる炎』がどうなっていたか、うかがい知ることは出来ないが、きっと脳から

つま先まで集中力の太い幹が走っているに違いない。

彼は最高の状態で走っているとき、自分の周りが真っ白になり、外の音は何も聞こえない

そうだ。「そこは抑えながら…とか、自分と対話しながら滑っている。いい滑りができたときほど、記憶が飛んでいます。悪いときは全部覚えているけど、いいときほど記憶が消える」記憶が飛んでしまう集中力はさすがだと思う。

全米プロゴルフ選手権で帝王といわれたニクラウスが、タイガー・ウッズと一緒にラウンドして

強烈な印象を受けたのが、ウッズの集中力だったそうである。「ショットが自分の考えていた

ところをそれた時、2秒間だけ腹を立て、すぐにまた次に集中する。私も以前はそうだった。」

メジャーの大舞台では燃え立つような熱気と闘争心が体全体にみなぎるのを実感したそうだ。清水選手のように3/100秒を争う極度に高い集中力を持続させることは難しい

ことだが、「2秒間だけ、腹を立て」て素早く次ぎに集中力を切り換えることは、心掛けと訓練次第で可能だろう。ボールを拾うときとか、汗をふくことで、集中力の転換を図る自分なりの“気持ちを切り換えるルール”を決めておけば、予想のつかないミスに対しても集中力を

回復し、冷静な対応が可能になる。

「平常心で」と再三語っていた清水選手は「こういう状態(体調の悪さ)でも

金を取るのが実力者」と物静かにレースを振り返り、4年後のオリンピックで

「この借りは返します」と語った。

成功の法則は、まず「必ずやり遂げる!」と決めてから考えることが重要。

すなわち、できるかどうかは、やりたいかやりたくないかで決まっている。

決意と努力が不可能を可能にするのである。

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