ラケットなしの心身修養合宿

今から17年前、佐藤現監督が一年生の時、第一期黄金時代の幕開けとなった年である。明大が優勝した秋季リーグ最終戦の翌々日から4日間(S57.9.12~15)、御殿場の国立中央青年の家で青龍寺住職の中山元寿和尚を講師に招いて心身修養合宿を行った。

精神修養と体力訓練の基本を見つめ直し、選手自身の今後の指針とする為、

全くラケットを持たず、座禅と体力トレーニングのみを目的とした合宿だった。

中山和尚から座禅の基本を教わった精神面の修養と訓話の主な内容は、

*「陰徳」....ひそかに善行をする。

隠れたところで良いことをし、人の見ていない所で努力をする。

みんなの寝ている間に座禅を組み、また月の光でお経を読んだりして、

一日も早く立派な住職になろうと努めた。

*修行に出て、ある寺に入門する為に、一週間、門の外で土下座をして、

やっと許可されて入れてもらった。

*僧は1年目の修行者でも10年以上の修行者でも修行している身には変りはない。

*身分が高くなっても修行が楽になるわけではない。

かえって長く修業している僧のほうが、苦しい修業をやっている。

...という話しを聞き、決められた時間内の練習だけでなく、他人より余計努力しよう、

強くなればなるほど、練習量を増やし、苦しい練習に毎日しっかり取り組もう、

という意欲を持った選手が多かったようだ。

体育の専門家に指導を仰いだ体力強化面では、

ランニング法、筋力トレーニング、スーパーセット法、柔軟運動、コンディショニング、

リズム(音楽)を使っての体操、ボールを使用しゲームをとおした動きづくりを行った。

ラケットなしの心身修養合宿の総論として、

1.4日間を通じて、自分の身体の状態を卓球以外のことで知る。

2.4日間で身体づくりをすることだけが目的ではなく、正しい身体づくりの方法を実際の体験をとおして身につけ、それを日常の練習に役立てる。

3.日頃使わない筋肉を使うことによって、よりダイナミックで正確な動きが出来る身体を作ったり、日頃使っている筋肉を違う方法(ランニングやリズム体操等)によって動かし、効率のよい動きの出来る筋肉やリラクゼーションの出来る筋肉づくりをした。

トレーニングと聞いて、初めは表情が暗くなっていた選手達も、リズムに乗った動きや、

ボールを使ったトレーニングに明るい表情で取り組むようになった。

しかし、朝起きると全身、激痛。

これからは毎日、正しい方法で身体を鍛えようと選手達は語っていた。

明治大学卓球部の歴史の中でも強烈な思い出に残る合宿であった。

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